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コラム
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令和元年5月29日 女性活躍・ハラスメント規制法成立

職場のハラスメント対策の強化を柱とした女性活躍・ハラスメント規制法が成立。パワハラやセクハラ、妊娠出産を巡るマタニティーハラスメントに関し「行ってはならない」と明記。パワハラの要件を設け、事業主に相談体制の整備など防止対策を取るよう初めて法律で義務付けました。

(改正のポイント)
・セクハラ、パワハラ、マタハラを「行ってはならない」と明記
・パワハラ防止の取り組みを企業に義務付け ・相談体制の整備など具体的内容は指針で規定
・セクハラ、パワハラ、マタハラの被害を相談した労働者への解雇など不利益な取り扱いを禁止
・自社の労働者が社外でセクハラをした場合、被害者側の企業による事実確認などへの協力を努力義務とする

改正ストーカー規制法成立。SNSやブログでのつきまといも規制対象に
2016年12月6日、改正ストーカー規制法が成立し、SNSやブログでのつきまといも規制の対象となることが決まりました。これにより、相手が拒否しているにもかかわらず、SNSやブログに書き込みやメッセージを送り続けることは、違法行為として規制されます。

本改正につながる事件として、2016年5月、東京都小金井市で音楽活動を行っていた女子学生が男に刃物で襲われた事件があります。同大学生は、男からTwitterなどに執拗に書き込みをされており、警察に相談していましたが、違法性がないことにより取り締まりが行われていませんでした。

以上のように、ストーカー行為に対する規制は強化される傾向にありますので、無自覚のうちに執拗なつきまといを行っていないか、注意する必要があります。

セクシャルハラスメント(セクハラ)とは
性的な嫌がらせという意味で用いられる言葉で、上下関係などの力(パワー)を背景とした対価型セクハラと、性的な冗談、からかいや性的な噂の流布する・肩をもむ等業務に必要のない身体接触・デートに執拗に誘う・卑猥なスクリーンセーバーを使うなどして就業環境を脅かす環境型セクハラがあります。
詳細はこちら→
セクシャルハラスメントの事例1→
セクシャルハラスメントの事例2→

2018年実践コース参加者(雪ヶ谷化学工業株式会社 つくば事業所 所長 本夛様のコメント)→

平成28年男女雇用機会均等法改正(平成29年1月1日施行)
セクハラ指針の2(1)に、「被害を受けた者の性的指向又は性自認にかかわらず、当該者に対する職場におけるセクシュアルハラスメントも、本指針の対象となる」ことが明記されました。
つまり、「LGBTQ」などの性的少数者に対して、配慮のない性的な発言をしたり、性的な嫌がらせを行うことも規制の対象となります。

■LGBTQとは?

L:レズビアン 女性同性愛者

G:ゲイ 男性同性愛者

B:バイセクシャル 両性愛者

T:トランスジェンダー 性自認が生来の身体的特徴と異なる人

Q:クエスチョニング自らの性のあり方について、特定の枠に属さない人、わからない人等

平成26年7月1日男女雇用機会均等法改正
◆「間接差別の範囲の見直し」について
「間接差別」というのは、表面的には性差別とは無関係になっていても、実際は性差別につながるような制度、措置のことです。そのため、施行規則に記載される間接差別の内容が一部変わりました。

(旧)

総合職の労働者を募集、採用する際に、合理的な理由がないにもかかわらず転勤要件を設けることは、「間接差別」として禁止されてきました。

(新)

すべての労働者の募集、採用、昇進、職種の変更をする際に、合理的な理由がないにもかかわらず転勤要件を設けることは、「間接差別」として禁止されます。

《「間接差別」となるおそれがあるものとして禁止される措置の例》(厚生労働省HPより)

×労働者の募集にあたって、長期間にわたり、転居を伴う転勤の実態がないにもかかわらず、全国転勤ができることを要件としている。

× 部長への昇進に当たり、広域にわたり展開する支店、支社などがないにもかかわらず、全国転勤ができることを要件としている。

◆性差別事例の追加
定年年齢の引き上げを行うに際して、既婚の女性のみ異なる定年を定めることを、性差別事例として指針に追加されました。

◆セクハラについて
同性に対する行為もセクハラになることが指針に明記されました。

セクハラは、当初は男性が女性に行うことに限定されていましたが、その後、女性から男性、同性間と変更になりました。今回の指針改正でこの点を明らかにされました。

・ジェンダーハラスメント、性別の役割分担意識に関することが指針に記載されました。固定的な役割分担意識がセクハラにつながる可能性があることが明記されました

セクハラの相談対応について、放置すれば就業環境を害することや、性別の役割分担意識に基づく言動なども対象に入れるよう明記されました。

さらに、被害者のメンタルヘルス不調に対する、管理監督者、産業保健スタッフなどによる相談対応も、指針に追加されました。

セクハラの問題は、心身の健康障害、訴訟等の労務リスクにつながりやすく、不適切な対処によりリスクは高まります。御社の就業規則やセクハラ防止規程、対応体制を確認されてはいかがでしょうか?

柳原より一言

一人でも不快と感じればセクハラになりえます。

相手がどう感じるか考えて発言することも大切です。

上司は同意のもとお付き合いしていると考えているケースもあります。
しかし、部下は人間関係を壊したくない思いで我慢していることもあります。

事実そのようなケースでうつ病になったクライアントも多いです。

立場が上になるほど自身の行動や発言には責任を持ちましょう。

相手も笑っているからということで勘違いすることも多いですが、多くの被害者は人間関係を壊したくないという思いなどから嫌でも愛想笑いをしています。容姿のことでからかったり、性的な話をしたりせず品の良い会話をしていただきたいものです。