ハラスメントにならない叱り方/ハラメント研修
ハラスメントにならない指導法 叱り方
パワーハラスメントが着目されるようになってから指導できない上司や先輩が増えてきました。「もうハラスメントと言われたくないから叱れない」となるのです。でもそれでは困りますよね
そこで今回は指導法 叱り方について考えてみます。
1.相手のことを理解しようとしているか
先日、あるラジオ番組で、ハラスメントについての問題を研究している方や、ハラスメント行為を行った経験のある方が出演し、その問題について語られていました。その中で、行為者の方が「いまだに納得してないことがある」と話したことが印象的でした。
番組中、ハラスメントが行われてしまった背景について、「(被害者は)仕事ができていない状態だった。何度も話し合いを重ね、「指導してください」と部下(被害者)も言っていたのでそのとおりにしていたら、パワハラと言われてしまった。」と行為者の方が語っていました。
また、被害者の状態を尋ねられると、「(被害者は)問題からいつも逃げている状態だった」と振り返っていました。
番組中、この状態について誰も問うことありませんでしたが、このような状態のときこそ、指導の方向性を検討することが出来ていたなら、結果は違っていたかも知れないと思うのです。「問題からいつも逃げている状態」は、既に頑張れる状態ではなかった可能性があります。
この上司の場合は話し合いを重ねており、その点は素晴らしいのですがもしかすると「指導しなければ、わかってほしい」というご自身の思いが強く、話し合いのつもりになっていたのかもしれません。
2 相手の気持ちに向き合っているか
逃げることは、自分自身を守るためには必要なことです。被害者が、逃げたくなるくらい悔しい思いや心の傷を負っていた状態があり、また癒される間もなく、承認をされることなく、指導だけが続いていたとしたら…人はどうなるでしょうか?やはり、こうした状況下で、部下を指導(叱る)し続けることは避ける方がよいでしょう。
しかしここで「被害者自身が、「指導してください」と言っているから、被害者も悪いのではないか」というご意見もあるかもしれません。この点について人の感情にはアンビバレント(両面感情)があります。これは皆様にもご経験があると思いますが、「逃げたい」だけど「仕事もやりたい、期待に応えたい」等の思いを抱くことは決して珍しくないことです。
この場合に、上司が「あいつは問題から逃げているだけ」と片面の感情しか観ることが出来なければ、上司が伝える言葉の選択は、「指導」という名目で、部下を精神的に苦しめるものになっていた可能性があります。この行為者は、被害者の立場に立って観ることが出来ないためであり、今も納得してない気持ちが続いているのではないかと感じました。
3 適切な指導法とは
今回は上記2つについての視点から適切な指導・叱り方についてお伝えします。
指導の中でも特に叱るときには相手の受け止め方、気持ちを考えることが大切ですよね
ハラスメントに思われたくないけど、指導はしたいし注意もしないとな・・ということは皆さん考えておられると思います。
私も注意するときは正直疲れます。なぜなら伝え方をすごく考えないとならないからです。こちらが正しいと思って指導しても相手は
「がんばったのに、注意だけされた」とか「わかってくれていない」と感じる方もいるのです。
ですから、すべての人に通じる叱り方や指導法はないのかもしれません。
だからこそ、まずは普段から相手を理解できるように努める必要があります。
①指導や叱る瞬間だけではなく普段の関わりこそが大切
普段から相手に関心をもち、ちょっとした立ち話でも良いので対話をする(特に相手の話を聞くようにする)と、どういう考え方や受け止め方をするのかということがわかってきます。
対話を持つことで、相手は「自分のことに気を留めてくれているんだな」「話を聞いてくれる人なんだな」とあなたから受け入れられているんだという安心感を得ます。
このベースづくりが大切です。こうした関係性ができていれば今回の例のようにアンビバレントな状態ではなく、本音を伝えてくれやすくなります。
②相手の本音を出すには・・ボディーランゲージに注意する
夢中になって自分の熱い思いを伝えるのではなく、冷静になり常に相手主体を意識します。相手の表情・姿勢・声のトーンや大きさなど自然に相手の気持ちが表現されるボディランゲージは良く観察しながら伝えましょう。「指導してください」と相手が言っていてもボディーランゲージを見れば例えば猫背になっていたり、こちらの目を見ていない状況であれば本心ではない可能性も高いです。
また、あなた自身のボディーランゲージには注意してください。腕を組んでいたり、ペンをカチカチ鳴らしていたり、貧乏ゆすりをしていたり、相手を凝視していたり、眉間にしわを寄せているなど威圧的な雰囲気を醸し出していないか?振り返りましょう。普段から話を聞くときは腕を組む、足を組むことが癖になっている方は気を付けてください。癖なので無意識にしてしまいます。
③指導の目的を考える
相手がミスをしたときに、ベテランとしては「こんな風になってほしい」「このやり方でやればよいのだ」と思いますが、その気持ちの裏には『わたくしの思う通りに動いてほしい』という気持ちがあるのではないでしょうか?あなたの過去の成功体験や価値観がベースとなりそういう思いで指導すると、相手にはその気持ちが伝わります。
本来の指導の目的は「思い通りに動かす」ではなく「相手の成長をサポートする」ことですよね?成長することでお客様に対してのサービスが向上したり、生産性が上がったり、それにより本人もやりがいを持てたり、可能性が広がったりするのではないでしょうか。多くの指導的立場にある方は、特に忙しい職場や数字だけで評価される組織にいると「即刻、成果を出すために思い通りに動いてくれればいいよ」となり指導の本来の目的からずれてしまうのです。そしてパワハラ発生・・・
指導するとき叱るときは、何の目的で相手に伝えるのかを毎回、意識してから向き合うようにしましょう。
④7対3の割合で指導・叱る
意識として7割聴く、3割伝えるで対話すると実は5分5分になっていると言われています。相手の気持ちに向かい合い、受け止めながら指導することで一方通行による誤解を生じることもなく、納得性のある指導ができます。
相手が黙っているときはしばらくこちらも待ちましょう。沈黙している時間は相手は色々考えている大事な時間です。
しばらくは待ち、相手の様子を観察しながら「どうですか?」とか「わからないことありますか?」など穏やかに聞いてください。
今回はここまでとします。指導方法や叱り方にはまだまだ色々方法などあります。ハラスメント研修でもこうした内容をご要望によりお伝えしております。研修ご依頼は下記よりお問い合わせください。見積や詳細ご案内は無料で私が対応します。
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