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コラム
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指導(叱る)前に、ちょっと待って!

先日、あるラジオ番組で、ハラスメントについての問題を研究している方や、ハラスメント行為を行った経験のある方が出演し、その問題について語られていました。その中で、行為者の方が「いまだに納得してないことがある」と話したことが印象的でした。

番組中、ハラスメントが行われてしまった背景について、「(被害者は)仕事ができていない状態だった。何度も話し合いを重ね、「指導してください」と部下(被害者)も言っていたのでそのとおりにしていたら、パワハラと言われてしまった。」と行為者の方が語っていました。また、被害者の状態を尋ねられると、「(被害者は)問題からいつも逃げている状態だった」と振り返っていました。番組中、この状態について誰も問うことありませんでしたが、このような状態のときこそ、指導の方向性を検討することが出来ていたなら、結果は違っていたかも知れないと思うのです。「問題からいつも逃げている状態」は、既に頑張れる状態ではなかった可能性があります。

逃げることは、自分自身を守るためには必要なことです。被害者が、逃げたくなるくらい悔しい思いや心の傷を負っていた状態があり、また癒される間もなく、承認をされることなく、指導だけが続いていたとしたら…人はどうなるでしょうか?やはり、こうした状況下で、部下を指導(叱る)し続けることは避ける方がよいでしょう。
しかしここで「被害者自身が、「指導してください」と言っているから、被害者も悪いのではないか」というご意見もあるかもしれません。この点について人の感情にはアンビバレント(両面感情)があります。これは皆様にもご経験があると思いますが、「逃げたい」だけど「仕事もやりたい、期待に応えたい」等の思いを抱くことは決して珍しくないことです。この場合に、上司が「あいつは問題から逃げているだけ」と片面の感情しか観ることが出来なければ、上司が伝える言葉の選択は、「指導」という名目で、部下を精神的に苦しめるものになっていた可能性があります。この行為者は、被害者の立場に立って観ることが出来ないためであり、今も納得してない気持ちが続いているのではないかと感じました。
 行為者が、行為者になった経緯やその行為に至った背景について話すことは、問題解決につながることがあります。しかし、自分の行動に正当性を見出そうとする場合もよくあります。

これからの時代、ハラスメントを行わない上司の資質として

・「利他的」な視点を持ち備えていること
・指導前に客観的な視点をもっているか(主観はどの部分か、自分を振り返ることが出来る)
・双方向のコミュニケーションが出来ること。

このような力が必要だと感じました。 川久保律子

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