カスタマーハラスメント対応法を学ぼう(公認心理師監修)
目次
1 カスタマーハラスメント(カスハラ)の対応の難しさ
1-1 加害者がお客様であること
1-2 何を判断基準にカスハラと定義するのか曖昧
1-3 カスハラの再発防止策の策定が難しい
2 カスタマーハラスメント発生時の対応法
2-1 冷静さを保つ
2-2 状況を把握して寄り添う
2-3 こちらが悪い時は誠実に謝罪、今後の解決策は明確に伝える
2-4 謝らないことも大事。判断難しい時は上司に相談
2-5 代替案を提示する
2-6 必要に応じて専門家を呼ぶ
2-7 記録を残す
カスタマーハラスメント対応の難しさ
カスタマーハラスメントはそのほかのハラスメントに比較して対応の難しさがあります。理由は主に以下の3つが挙げられます。
◆加害者がお客様であること
カスハラの場合、加害者はお客様であることがほとんどです。加害者でなければ会社にとって大切な人です。お客様との関係悪化は、企業にとって大きな損失となるため、毅然とした対応が難しいのが現状です。また、お客様の中には、自分がカスハラを行っているという認識がなく、注意されても反発したり、クレームに発展してしまうケースもあります。
◆何を判断基準にカスハラと定義するのか曖昧
お客様の中には、お店やサービスに対して厳しい要求をするのは当然の権利と考えている人も一定数存在します。そのため、企業側がカスハラと認識していても、お客様側はただのクレームや要求だと思ってしまうケースがあります。また、企業と顧客の間で、何が適切な接客マナーなのか、どこまでが許容範囲なのか、認識の違いが生じることもカスハラ対応を難しくする要因の一つです。
◆再発防止策の策定が難しい
・カスハラは、お客様との個別具体的なやり取りの中で発生するため、過去の類似事例から解決策を得ることが困難です。お客様との関係性や、お客様の属性、商品の特性などによって、適切な再発防止策が異なる場合もあり、一律の対応策を講じることが難しいという課題あります。
・パワハラやセクハラを起こさないための社員教育を行いハラスメント対策が可能です。
カスハラは”行為者”がお客様のため、”行為者にならないよう教育をする”ことができません。
「カスハラが”起きないように」という対策も必要になります。そのためには、カスハラをする人の心理にも詳しい弊社の研修を導入しませんか。あなたの現場に合う内容で「カスタマーハラスメント研修」をいたします。
カスタマーハラスメント対応法
1. 冷静さを保つ
どんなに困った客であっても、まずは冷静さを保ち、丁寧な対応を心がけましょう。感情的になって相手と口論してしまうと、状況が悪化するばかりです。(自分視点から客観的視点にスイッチを入れ替えます)「どうしよう」とパニックになりそうな時こそ、頭の中で「何とかなるさ」と考えて追い詰められないようにします。深呼吸をしながら一度目を2・3秒閉じて自分ではない、あなたの中で冷静な人のイメージである人になりきります。例えばお釈迦様・マリア様・ドラマや漫画のキャラクターなど。
2. 状況を把握して寄り添う
お客様がどのようなことに困っているのか、まずは状況を把握することが重要です。話をよく聞き、お客様の気持ちに寄り添いましょう。怒りは第2次感情と言いますね、顧客の怒りの裏にある第1次感情が何かも考えるとこちらは冷静に判断しやすいです。
例えば、第1次感情として「不安だ」「いつも思い通りにいかなくて不満だ」「私を馬鹿にしているのではないか」などひどいクレームを言う人は普段から精神的に満たされていない人がほとんどです。
3.こちらが悪い時は誠実に謝罪、今後の解決策は明確に伝える
お客様にご迷惑をおかけしたと判断した場合は、誠意を持って謝罪しましょう。謝罪の際には、具体的な言動や態度について謝罪することが大切です。「すみません」ではなく「これこれこういうことについて申し訳ございません、今後はこのようにいたします」「今後このようなことのないように早々に内部で話し合います」という具合です。お客様は具体的な対応を望みますので、あいまいですとより怒りが増します。
4.謝らないことも大事。判断難しい時は上司に相談
お客様に怒られてなんでも謝るのは逆効果です。まずは具体的な要望を伺い、こちらが悪くない時は謝らず、出来ることとできないことを説明、それでも怒るときは上司に相談して対応してもらう。あるいは、ご自身で判断が難しい時も早めに上司に相談。
組織の中で、どこまで対応できるかなどある程度明確化したマニュアルを作成したり、社員に共有しておくことも大事です。
何でもすぐに謝ると、図に乗る人も多いので気を付けましょう。
5. 代替案を提示する
希望に添えない場合は、代替案を提示しましょう。お客様のニーズに合った代替案を提案することで、納得してもらえる可能性が高くなります。
6. 必要に応じて専門家を呼ぶ
警察や弁護士などの専門家が必要な場合は、躊躇せずに呼ぶようにしましょう。警察官や弁護士などには弱いクレーマーは多いです。
7. 記録を残す
対応内容や状況などを記録しておきましょう。記録は、後々のトラブル防止に役立ちます。
サービス向上のために録音させていただきますという方法もありますね
クレーマーへの対応は、決して簡単ではありません。しかし、上記のようなポイントを意識することで、より良い対応をすることができるようになります。
カスタマーハラスメント対応法を学びましょう。弊社では医療機関、鉄道会社、小売り業者などにて実績が豊富です。
カスタマーハラスメント研修カリキュラム 一例(下記内容から御社向けにアレンジ可能)
カスタマーハラスメント対応方法を総合的に理解します。お客様との信頼関係を築きながら、良好なサービスの場、職場にしていくためのポイントを学ぶことができる研修です。
第1部:カスタマーハラスメントの定義と実態 第2部:カスタマーハラスメントの具体的内容 第3部:カスタマーハラスメントの発生予防と事後対応 |
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