学童保育、幼稚園、保育所、小・中学校など、こどもたちを預かる教育・保育の現場において、今もっとも注目されているトピックの一つが「こども性暴力防止法」の施行です。「性犯罪・性暴力等」を理由として懲戒処分等を受けた公立学校の教育職員は、毎年200人以上になります。子どもが主に被害者となった性犯罪の認知件数(20歳未満)も年々増加しています。※引用 子ども家庭庁資料より

2026年12月25日のスタートに向け、各施設では制度への対応準備が進められていますが、単に「前歴の確認(スクリーニング)」を行うだけでこどもたちの安全を守り切れるわけではありません。本コラムでは、こどもたちを地域や職場で安全に育むための「最新の決まり」と、現場の「ハラスメント対策」をセットで学ぶことの重要性について解説します。

日常の「ちょっとした行動」がリスクになる?
こどもに対する性暴力は、いきなり重大な犯罪として現れるとは限りません。多くの場合、日常の延長線上にある「不適切な行為」からエスカレートしていきます。
例えば、以下のようなケースに、現場のスタッフは正しく対応できているでしょうか。
こどもから「個人的にLINEを交換しよう」と求められた
「私のお気に入りの服だから、スマホで写真を撮って」と頼まれた
なついてくるこどもに、内緒で特別なお菓子をあげた
「こどもが喜んでいるから」「嫌がっていないから」という理由は、こどもの意見を尊重したことにはなりません(こどもの権利条約)。SNSでの私的なやり取りや業務外の写真撮影、密室(スタッフルームなど)への招き入れは、こどもを手なずける行為(グルーミング)と誤解されるリスクを孕んでいます。性的グルーミングとは、被害者の警戒心を解き、自分を信用させることで、性暴力を振るいやすくするための加害者の行動である。
だからこそ、教職員や補助スタッフを含むすべての従事者が、何が不適切な行為にあたるのか(境界線=バウンダリー)を研修で明確に認識することが不可欠です。

なぜ「ハラスメント対策」も一緒に学ぶ必要があるのか
こどもたちを性暴力から守るためには、スタッフ同士が複数名で観察し、小さな違和感を共有できる「風通しのよい職場」が必要です。
しかし、職場で以下のようなハラスメントが横行しているとどうなるでしょうか。
「何度言ったらわかるの?」「小学生でもわかるよ」といった人格を否定するような詰める指導
特定の性別やジェンダーに対するからかい(ジェンダーハラスメント)
このような環境では「心理的安全性」が著しく低下します。
スタッフは「怒られるかもしれない」と防衛に走り、隠し事や見て見ぬふりが増え、結果としてこどもたちの異変や同僚の不適切行為を報告できなくなってしまいます。
また、こうした環境で働くことによるストレスを発散するために児童や生徒に対して不適切な行動をする行為者もいます。
こどもたちの安全を守るためには、まず大人が安心して働ける職場環境(心理的安全性)を構築し、互いの「承認欲求」を満たし合える良好なコミュニケーションの土台を作ることが大前提なのです

【実践型】こども性暴力防止法・ハラスメント対策研修のご案内
私どもは20年にわたるハラスメント対策・メンタルヘルス対策研修の実績を活かし、教育・保育現場向けの「こども性暴力防止法およびハラスメント対策研修」をご提供しています。本研修(標準120分)では、大きく2つのテーマを扱います。参加者により内容はアレンジいたします。
1.こどもたちの安全を守る適切な関わり方
日本版DBSの仕組みと、性暴力の特性(サイレント被害等)
SNS交換や写真撮影など、現場で起こりやすい不適切行為のケーススタディ
不快感を与えないための関わり方
気づき方や声の掛け方、ヒアリング法など被害者との関わり方
児童が相談しやすい環境づくり
2.ハラスメント知識をアップデートし、心理的安全性の高い職場をつくる
各種ハラスメントの基礎と、「詰める指導」から「寄り添う指導」への転換(ご希望によりアレンジ)
健康な組織に欠かせない「承認」のコミュニケーション
当社の研修の強み
当社の講師陣は中高から大学生への相談対応業務を18年間行いかつ、ビジネス経験が豊富で、現場で活躍するプロのカウンセラーでもあります。そのため、法律の「机上の空論」を語るのではなく、教育現場ですぐに実践できる具体的なケーススタディを用いた研修が可能です。また、事前の入念なお打ち合わせにより、各施設様の実情(学童、幼稚園、小中学校など)に合わせたオリジナルの研修資料を作成いたします。
法的な義務を果たすだけでなく、教職員の皆様が誇りを持って、安心して働ける健全な環境づくりに向けて。ぜひ一度、当社の研修プログラムをご検討ください。下記バナーよりお気軽にお問い合わせください。
