新入社員メンタル不調予防と早期発見方法 動画つき
新入社員はストレスがいっぱい
新入社員にとって、社会への適応は大きな課題です。慣れない仕事環境、人間関係、社会規範など、様々なストレスにさらされ、心身ともに大きな負担を感じることが多くあります。
社会的再適応評価尺度(SRRS)はご存じでしょうか?
アメリカの心理学者と内科医であるHolmes & Raheが開発した、ストレスの程度を測定する尺度です。Holmes & Raheは、約5000人の患者を対象に、過去10年間にわたる生活上の出来事を調査しました。
その調査に基づいて43項目のストレス要因からなる調査票を作成し、個人が感じるストレスの程度をストレス要因ごとに点数化しました。
結婚を50点として基準とし、それ以上のポイントになると、心身に悪影響を及ぼす可能性が高くなるといわれています。
43項目から当てはまる項目の点数を合計して今の自分の状況を出すのです。
入社(50点)、仕事上の責任の増加(30点)、転居(20点)などは、新入社員にとって特にストレスポイントの高い項目です。
入社して転居しただけでも心身不調をきたす確率は高いというわけです。
新入社員メンタル不調になりやすい人とタイプ別予防法
同じ状況に置かれても、病気になる人ならない人がいますね、新入社員も下記のようなタイプは注意が必要です。今回は他者が見て気づきやすい特徴を書きます。
キラキラタイプ
その人がいると職場が明るくなるキラキラした新入社員。一見、何の心配もいらない感じですが、私が現場で見てきた新入社員や2年目になりたてでうつ病になった方はキラキラタイプです。皆さんはどうしても、元気がない人や頻繁に「やめたい・・」「自信がない」とつぶやいている人の方を心配してフォローすると思いますが、つぶやきの多い人の方がどちらかといえば安心です。いつも笑顔(キラキラしている)の人はそれだけ人に気を使い、人の目を気にしており、期待にこたえなければ!という思いも強く無意識にもストレスを溜めるのです。「あの人いつも笑顔だね」「あの人本当に気が利くね」というタイプは特に新入社員の場合、自分でコントロールできないので、周囲のフォローが必要な人です。
→普通に声をかけて話を聴いてあげましょう。心配している風ではなく、日常会話から初めていざという時に相談しやすい信頼関係を作りましょう。気が利くと思いますが、こちらは甘えずに「ありがとう」だけは伝えて一緒にしたり、任せすぎないようにしましょう。
寡黙タイプ
相談や質問をしない人けど大丈夫?というタイプは一人で悩みを抱え込むため、仕事をすればするほど問題が積み重なり急に倒れてしまうことがあります。仕事を引き受けたまでは良かったのですが、わからないことも聞けず困り果てストレスを溜めるのです。背景としては、自己肯定感が低いかプライドが高いかのどちらかですが、否定されたくない、出来ないと思われたくないなどと考えていることが多いです。
→みんなの前ではなく、さりげなく「あの仕事やってみて、困ったことない?」などフォローしましょう。注意するときも出来ていないことだけ指摘するのではなく、「あそこまでは良いから、この点をもう少しこうしようか」という具合で伝えると自己肯定感の低い方は落ち込みすぎず、少しずつ自信がつきますし、プライドが高い人も不満を持ちづらいです。
職人タイプ
「こうすべきなんですよね」という発言があるこだわりの強い人です。こだわることは悪いわけではないのですが、許容範囲が少ないと「上司は教えてくれるべきなのに教えてくれない」「この仕事は学校でこう学んだのに先輩は出来ていない」など自分が学んできたことや過去の経験と相手が異なるときに「こうすべきなのに違う!」とストレスを溜めていきます。
→考え方の許容範囲を広げられるようにサポートします。この人の考えを聞いた上で、全否定はせず「そういう考え方なんだね、私としては○○とも思うけどどうかな」とアイ(私を主語にする)メッセージとユー(あなた)クエッションで、こちらの考え方ややり方などを伝えると押しつけがましくは聞こえず、「自分の意見は聞いてくれて、受け入れてくれる姿勢はあるんだな。」と相手は思うので異なる意見にたいしてもゆとりをもち聞いてくれます。また、ブレーンストーミングを行い、普段から職場のメンバーの多様な考え方にふれたり、お互い尊重することの大切さに気づかせることも大切です。
新入社員メンタル不調の早期発見方法
下記のようなときは早めに声をかけて、病院に行っていないようであれば受診を進めましょう。
- 同じ服を着ている、外見が乱れる
- 毎日のように頭痛、腹痛など身体の不調を訴える
- ミスが増えた、仕事のスピードが遅くなった
- ちょっとしたことで、イライラする
- 休みや遅刻、欠勤が多い
- 人との接触をさける
- 全体的に元気がないならないために
以前のパフォーマンスから落ちた時は注意が必要です。もともとは遅刻しない人が遅刻したり、挨拶してた人がしないなどです。
新入社員のメンタル不全を防ぐために
1.相談しやすい環境づくり
普段から声をかけやすい雰囲気づくりは先輩や上司の役目です。日々お互いに良い部分も見るように意識してください。そして、承認を忘れないでください。「あなたのことを認めているよ」「仲間として受け入れているよ」と表現することが大切です。承認は下記スライドのすべての行動です。
また、在宅ワークが多い職場は相談もしづらく、新入社員は余計にできませんよね。毎日朝礼はするようにしてみんなでオンラインで顔をだして挨拶や情報共有、困っていることはないかなどを確認しましょう。
2.メンタルヘルス研修 ストレス対策研修開催
ストレスと上手に付き合う方法やレジリエンスを高める研修(立ち上がる力、困難を乗り越える力)を開催することは効果的です。
前向きな課題解決法や考え方の幅を広げる方法を学んだり、自分の強みに気づくワークやストレス対処力に気づく診断などをするととても楽に生活することができます。
離職率を下げるためにも大事な社員を守るためにもお勧めです。
3.カウンセリングやコーチングの場を設置
定期的にカウンセリングやコーチングができる場をつくるなども効果があります。特に新入社員から2年目社員は希望性ではなく全員30分ずつ面談すると、個人的にストレス対処法や前向きな課題解決法をお伝えできるので良いです。理想を言えば上司がそういうスキルをもち対応できると良いのですが、上司だと構えてしまうこともありますので利害関係のない専門家に任せることもひとつです。弊社でもカウンセリングやコーチングを行っておりますのでお気軽に下記よりお問い合わせください。
最後に動画もよろしければご覧くださいね「新入社員メンタル不調の兆しを察知せよ!」