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コラム
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パワハラとは言われない指導法とは

パワーハラスメントを恐れないでください。

恐れないでと書くと誤解もあるかもしれませんが、パワハラが法制化してから特に指導する立場の方々から「パワハラと言われたくないから叱ることもできない、コミュニケーションもとりずらい」という声が挙がっております。ご担当の方からも「弊社の上司たちは優しい人が多いのか、叱れない指導もできない」という悩みを聞き反面、若手社員からは「指導してくれない」「同期の男性は叱られるのに、女性である私は叱られず、気を使ってくれているのだと思うが寂しい」という声も聴きます。

ハラスメントにならない指導法についての研修内容をお知りになりたい方は下記バナーも参照

上司が部下に対して指導出来なければどんなことが起こる?

1.部下のモチベーションが下がる

実際上司が指導してくれないという理由でこの会社にいても将来がないと考えて退職する若手も多いといわれています。

2.スキルが身につかない、成長できない

技術職だけでなく、営業にしても人事にしてもどんな仕事でもノウハウをわかりやすく伝える指導や、間違えているときは注意するなどの指導をしなければなかなか一人での成長は難しいです。

3.チームワークがとりづらい

バラバラなスキルや能力を持っている場合、上司が適切な指導を行わないと、チームワークが低下してしまう可能性があります。また、部下が互いに協調し、協力することができないと、チーム全体の目標達成が困難になります。

4.サービス低下と顧客離れ

ベテランが今までの経験や知識から行ってきたサービスも伝授できませんし、部下がお客様に対して悪い対応をしていても、「まあいいか」と注意できなければ部下は気づきませんのでそのまま悪い対応をしてしまいます。つまりお客様は不満を募らせて離れていくでしょう。

5.安全が守れない事故発生

病院での仕事のような人の命にかかわる仕事だけではなく、工場や工事現場などは日頃から「ご安全に」と労働災害防止にとりくまれていますが、そのような現場でも危険予知に対して結果回避、つまり指導できないと事故が発生してしまいます。

このように、パワハラを恐れて指導できなければ生産性も下がり、離職率も高くなってしまいますし、最悪命にもかかわるのです。

パワハラと言われない指導法はソリューションフォーカスアプローチ(解決志向)

今までもパワハラと言われないためのコミュニケーションについてコラムに書いてきましたが今回は指導する立場であれば必ず知っておいていただきたい解決志向について記します。人は問題志向で「なんでできない」「どうして間違えた」「そんなんじゃだめ!」と問題点に焦点を当てられると、追い詰められます。追い詰められると自己防衛反応として「言い訳」「無言」「話を切り替える」「逆に切れる」などの反応をします。言い返せない場合は、自分の感情を内部に抑え込みストレスをためていきます。
パワハラの加害者となる方は皆さん共通して問題志向です。

1.まずは資源を引き出す

解決志向は問題点には焦点を当てず、常に「ありたい姿」「目指す地点」も焦点をあてます。ですので、会話としては下記のような質問をします。

部下が失敗した時「今回○○については上手くいかなかったね、では次はどうすればうまくいくか考えよう」

部下から多少リスクがある方法などの提案を受けた時「リスクはあるけれどそんな中でも少しでもできる方法を考えましょう」

部下が「私は何もできていない」などと相談された時、何について出来ていないのと感じているのかまずは聞いていただき、その次のステップとして「どうしてできないのかね」ではなく、「そんな中でも少しでも出来ていることも思い出してみましょう」

このように、少しでも上手くいった経験や少しでもできたことがあれば、その資源に着目して更なる資源を引き出し、それを活かすようにします。「解決志向コーチング」とも言われています。

2.目標の明確化とやる気スイッチ入力

ゴールつまり目標を明確化するために下記のような質問をします。なじみのない質問ですが体験してみると、自分の目標が映像として見えるため、新たな気づきも多く「実現したら最高だな」という想像もできるのでやる気になります。
つまり取り組む人が「やらされ感」ではなく自らやりたくなるのです。ワクワクしてきますよ!

「その目標が実現したと想像してください、その時お客様(上司は患者さんは、仲間は)はなんと言ってくれますか?」

「その時のあなたはどんな気分ですか?」「あなたはどんな表情をしていますか」

「その実現によりさらに何か起こりそうなことはありますか?」

3.スモールステップの行動計画と承認で自己効力感もアップ

いきなりゴール達成を求めるのではなく、1歩1歩前進するように「すぐに出来て簡単なことから」取り組みます。そうすれば、出来ますので自信がつきます。(自己効力感があがります)
よくありがちなのは、子育てでもそうですが、出来ていないことについて“完璧にできる状態”を求めてしまうので、相手はすぐにはできず・・親は出来ないと「なんでできないの!」「なんでしないの」というように叱りつけてしまうパターンです。

出来ない人や今までやらなかった相手に対してこちらの思いだけで動かすことは無理です。できたとしても続きません。相手が自ら楽しく出来るようになるために、ソリューションフォーカスアプローチで関わりましょう。

4.フォローアップで伴走すること

スポーツで良い成績を収めているチームや選手を見ていると伴走してくれている名コーチがいますよね。彼らの本を読んだり、インタビューを聴いていると共通しているのは伴走して支えていることです。ソリューションフォーカスアプローチを使われているコーチも多いです。
管理者など指導する立場の方はコーチになるとよいで
す。指示したあと放置するのではなく、フォローの声かけをしましょう。
パワハラの裁判判決でも「個性や能力に配慮せず、フォローもないというものであり、パワハラに該当する」というような事例もありました。

3の段階でスモールステップにて、行動計画を具体的に立てた後は、期間を決めて声掛けして状況確認をしましょう。その際は、出来たことや上手くいったことを聞きます。もし、出来なかったときは「なんでできなかったの」ではなく、「次はどうすればできるかを考えよう」と声をかけましょう。

まとめ

今回はソリューションフォーカスアプローチについてやり方を簡単に紹介いたしました。パワーハラスメントと言われない指導法はこの他にもありますが、ソリューションフォーカスアプローチで関われば、相手を追い詰めず、自己効力感も上げるため、相手はパワハラを受けたとは思いません。こちらが解決志向で前向きだと、相手もネガティブにはなりづらいのです。

パワハラではない関り方でも、相手から「パワハラだ」と言われてしまう方々がおられますが、おそらくこの方々は日頃から問題志向で部下や後輩と関わられていると思います。感情は伝播しますので、問題志向で見ていれば相手も問題志向になります。日頃から意識を解決志向、ソリューションフォーカスアプローチに変えましょう。
上記書籍は350円でソリューションフォーカスを学ぶことができます。

一人の力は大きな力です。相手の変化を求める前にまずは自分から変わりませんか

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