ハラスメント被害者(セクハラ・パワハラ・カスハラ)心のケアを職場や組織がどうすべきか(公認心理師監修)
ハラスメント被害者は、心身に様々な影響を受けます。怒り、不安、絶望感、自己肯定感の低下など、精神的な苦痛は大きく、仕事や人間関係への悪影響も少なくありません。そのような状態を放置してはいけません。組織としては二次被害を防ぐためにも早急な対応が必要となります。今回は被害者が前向きに元の自分を取り戻せるようにどのように関わればよいかをお伝えします。
さらに株式会社ハートセラピーでは、行為者に対する個人研修も行っております。行為者が更生することでさらなる被害を出すことを防ぎ、被害者に対しても安心を与えることが出来るのです。
目次
ハラスメント被害者に与えるダメージ
・心的外傷ストレス障害になる
・自己肯定感が下がり、モチベーションがでない
・人間不信に陥り周囲とのコミュニケーションがとれない
・集中力も低下するためミスが増える
多大なストレス状態により前頭葉の機能も低下して仕事へのパフォーマンスも下がります。組織がフォローしないと結果としては退職してしまう方も多いです。また、最悪は自殺、そのほか就職サイトへの書き込みをする方もおられます。二次被害を出さないためには早急なフォローが必要なのです。
被害者カウンセリングや行為者個人研修に関する詳しい資料や費用についてお知りになりたい方は下記バナーをクリックしてください。
組織としてハラスメント被害者に対して行うべき事柄
解決した後も声をかけて話を聞く
解決したら終わりではありません、様子を見ながら声をかけて10分でもよいので「調子はどうか」「困っていることはないか」「眠れているか」など聞いてください。
もしも、眠れていない、やる気が起きないなどの心身症状がある場合は受診を勧めましょう。
組織に、契約しているカウンセラーや医師などがいる場合はそのような専門家に面談してもらうことも良いです。
うつ・抑うつ傾向のチェックポイント(2週間以上続く場合は要注意) |
働きやすい環境づくりを支援する
行為者と同じ職場に所属している場合は本人の要望になるべく沿い、行為者を別の職場にする、席を離す、業務にて関わらなくて良い状況にするなどの配慮をします。基本は被害者の異動ではなく加害者の異動ですのでお間違えの無いようお願いします。
加害者が顧客の場合は担当を変えるなどの配慮も必要になります。我慢させることだけはしないようにしてください。
再発防止のための社内研修等の開催
従業員の意識を高めて一人一人がハラスメントをしないようにするために研修開催、相談窓口の体制強化、掲示物などでのハラスメント禁止周知などを行いましょう。こうした取り組みを組織がしてくれると被害を受けた方は安心します。
4. カウンセリングを勧めること
社内・外の心理士がいる場合は、本人が「大丈夫」と申していたとしても、1度は専門家に話を聞いてもらうよう勧めると良いです。心のダメージはすぐに表れない人もいますし、慢性化していて気づいていない人もいます。後々体調不良にならないためには、1回はカウンセリングの機会を与えてあげると良いでしょう。
ハラスメント被害者がカウンセリングを行うべき5つの理由
被害者の心の傷のトラウマ化を防げる
ハラスメント事後の被害者は、一見元気で問題がないように見えるかもしれません。しかし、ハラスメントを受けた心の傷がトラウマ化し、被害後しばらくたってから抑うつや不安の症状が強くなり、心の病を発症してしまうことがあります。
だからこそ、たとえ被害者が元気に見えているとしても、一定期間カウンセリングを継続してもらい、心の傷のトラウマ化を防いでいくことが重要になります。
カウンセラーだからこそ安心して胸の内を話せる
ハラスメント被害者の相談に対応することは、被害者の心の傷に触れていくことです。したがって、心理学の心得のない人が安易にカウンセリングを行うと、不用意に心の傷を広げてしまい、取り返しのつかないことになってしまうことがあります。
また、職場内の人には胸の内を話しにくいため、苦しみを打ち明けられないまま、メンタルヘルスを害してしまうことがあります。
だからこそ、相談対応経験豊富なカウンセラーに任せ、安心できる環境の下で心のケアを継続的に行っていく必要があります。
不満の蓄積によるトラブル発生のリスクを防げる
ハラスメント被害者は、癒えない心の傷を抱えたままでいることによって、人知れず加害者や職場に対する不満を募らせていることがあります。すると、密かに法的手段に訴える準備を始めたり、ネットやマスコミを通じて内情を暴露しようとしてしまうこともあります。
このようなトラブルに発展するリスクを減らすためにも、信頼できるカウンセラーと継続的に話をする機会を与えておくことは非常に有効です。
被害者の労働意欲が回復する
ハラスメント被害に傷ついた人は、カウンセリングを利用することで、ようやく未来に目を向けることができるようになります。すると希望を失い、働く意欲を失ってしまった人も、徐々に目指すべき成長像を思い描くことができようになります。
特に解決志向アプローチという心理療法に詳しいカウンセラーなら、コーチングとカウンセリング双方の利点を活かして、労働意欲の回復を全面的にバックアップすることが可能です。
解決志向アプローチの知識と経験が豊富なカウンセラーが多数所属~ハートセラピーのコンサルタント・カウンセラー・コーチ
コンサルタント・カウンセラー・コーチ|ハラスメント研修とメンタルヘルス対策の株式会社ハートセラピー
所属組織への感謝の気持ちと帰属意識が高まる
絶望感や怒りの感情に振り回されていたハラスメント被害者は、カウンセラーのやさしさと安定感に触れることにより、次第に心が柔らかくなっていきます。
すると、カウンセリングの機会を設けてくれた所属組織に対して、ありがたいという感謝の気持ちが湧くようになります。さらに、「この会社の一員でよかった」「組織のためにも頑張っていこう」といった帰属意識も高まっていくことが期待できます。
以上の5つの理由から、ハラスメント行為が生じた後には、ハラスメント被害者カウンセリングを行うことで、被害拡大を防ぐことができるのです。
執筆:公認心理師・精神保健福祉士・産業カウンセラー 大美賀直子
ハラスメント被害者カウンセリングについて
(株)ハートセラピーでは被害者へのカウンセリングも10年以上の実績があります。
ご担当者と事前に打ち合わせを行い、今回起きた内容について状況を確認します。
その後、被害を受けた方に対して対面もしくはオンラインにてカウンセリングを行います。回数は1回~3回が平均です。
弊社のカウンセリングは聴くだけではなく、時にはコミュニケーションの取り方(例:断り方など)をアドバイスするなど
被害を受けた方が今後なるべくトラブルに巻き込まれないための対策も伝えております。
被害者に心の傷を残さないためにまた、組織のリスクマネジメントとしても早めの対応が必要です。
弊社ではご担当者様へのコンサルティングも行っておりますのでご不明点などお気軽に下記よりお問い合わせください。