ハラスメント被害者の心のケアをどうするか(公認心理師執筆)
ハラスメント被害者は、心身に様々な影響を受けます。怒り、不安、絶望感、自己肯定感の低下など、精神的な苦痛は大きく、仕事や人間関係への悪影響も少なくありません。
カウンセリングは、これらの苦しみを軽減し、心の状態を安定させるために有効です。
ハラスメント行為者に対する懲戒処分は、組織としての対応として必要不可欠です。
被害者の心の回復にはより長期的なケアが求められます。特に、組織の対応が被害者の望んでいた対応と異なる場合、被害者は精神的なダメージを抱えたままで仕事を続けることになります。
カウンセリングは、被害者が安心して生活を送ることができるように心のケアを行い、日々の業務を続けられるようにサポートします。
目次
ハラスメント被害者カウンセリングを行うべき5つの理由
被害者の心の傷のトラウマ化を防げる
ハラスメント事後の被害者は、一見元気で問題がないように見えるかもしれません。しかし、ハラスメントを受けた心の傷がトラウマ化し、被害後しばらくたってから抑うつや不安の症状が強くなり、心の病を発症してしまうことがあります。
だからこそ、たとえ被害者が元気に見えているとしても、一定期間カウンセリングを継続してもらい、心の傷のトラウマ化を防いでいくことが重要になります。
外部のカウンセラーだからこそ安心して胸の内を話せる
ハラスメント被害者の相談に対応することは、被害者の心の傷に触れていくことです。したがって、心理学の心得のない人が安易にカウンセリングを行うと、不用意に心の傷を広げてしまい、取り返しのつかないことになってしまうことがあります。
また、職場内の人には胸の内を話しにくいため、苦しみを打ち明けられないまま、メンタルヘルスを害してしまうことがあります。
だからこそ、相談対応経験豊富な外部のカウンセラーに任せ、安心できる環境の下で心のケアを継続的に行っていく必要があります。
不満の蓄積によるトラブル発生のリスクを防げる
ハラスメント被害者は、癒えない心の傷を抱えたままでいることによって、人知れず加害者や職場に対する不満を募らせていることがあります。すると、密かに法的手段に訴える準備を始めたり、ネットやマスコミを通じて内情を暴露しようとしてしまうこともあります。
このようなトラブルに発展するリスクを減らすためにも、信頼できる外部カウンセラーと継続的に話をする機会を与えておくことは非常に有効です。
継続カウンセリングにより被害者の労働意欲が回復する
ハラスメント被害に傷ついた人は、カウンセリングを継続的に利用することで、ようやく未来に目を向けることができるようになります。すると希望を失い、働く意欲を失ってしまった人も、徐々に目指すべき成長像を思い描くことができようになります。
特に解決志向アプローチという心理療法に詳しいカウンセラーなら、コーチングとカウンセリング双方の利点を活かして、労働意欲の回復を全面的にバックアップすることが可能です。
解決志向アプローチの知識と経験が豊富なカウンセラーが多数所属~ハートセラピーのコンサルタント・カウンセラー・コーチ
コンサルタント・カウンセラー・コーチ|ハラスメント研修とメンタルヘルス対策の株式会社ハートセラピー
所属組織への感謝の気持ちと帰属意識が高まる
絶望感や怒りの感情に振り回されていたハラスメント被害者は、カウンセラーのやさしさと安定感に触れることにより、次第に心が柔らかくなっていきます。
すると、カウンセリングの機会を設けてくれた所属組織に対して、ありがたいという感謝の気持ちが湧くようになります。さらに、「この会社の一員でよかった」「組織のためにも頑張っていこう」といった帰属意識も高まっていくことが期待できます。
以上の5つの理由から、ハラスメント行為が生じた後には、ハラスメント加害者個人研修とハラスメント被害者カウンセリングを双方に受講させることで、ハラスメントの再発防止と事後のトラブル発生リスクの軽減に向けて同時に対策することができます。
ハラスメント加害者個人研修とハラスメント被害者カウンセリングは、ハラスメント・メンタルヘルスの実績豊富な支援企業を選ぶことをお勧めします。
ハラスメント・メンタルヘルスの実績豊富な支援企業とは?(参考)
研修実績、利用者様の声|ハラスメント研修とメンタルヘルス対策の株式会社ハートセラピー
執筆:公認心理師・精神保健福祉士・産業カウンセラー 大美賀直子
ハラスメント被害者カウンセリングについて
ご担当者と事前に打ち合わせを行い、今回起きた内容について状況を確認します。
その後、被害を受けた方に対して対面もしくはオンラインにてカウンセリングを行います。
回数は1回~3回が平均です。
弊社のカウンセリングは聴くだけではなく、時にはコミュニケーションの取り方(例:断り方など)をアドバイスするなど
被害を受けた方が今後なるべくトラブルに巻き込まれないための対策も伝えております。
被害者に心の傷を残さないためにまた、組織のリスクマネジメントとしても早めの対応が必要です。
弊社ではご担当者様へのコンサルティングも行っておりますのでご不明点などお気軽に下記よりお問い合わせください。