「記憶にない」と逃げるセクハラ加害者の心理メカニズムとは?再発を防ぐための「否認」の壁を崩す行為者個人研修
「酒に酔っていて記憶がない」 「そんなつもりで言った覚えはない」 「そこまで相手が傷ついているとは知らなかった」
セクハラ事案が発生した際、人事担当者様が最も頭を抱えるのが、行為者からの「記憶にない」「身に覚えがない」という言葉ではないでしょうか。確かにちかんの冤罪と同じく陥れられている人もいますので、加害者ではない可能性もあります。(ここは注意が必要です)
それは別として、事実確認が進まず、処分や指導が停滞してしまうこの状況は、組織にとって大きなリスクです。しかし、心理の専門家の視点から見ると、この「記憶にない」には特有の心理的特徴とパターンが存在します。
弊社では、こうした加害者特有の「認知の歪み」にアプローチし、行動変容を促す個人研修を行っています。なぜ彼らは記憶を消してしまうのか、そしてどうすれば変わるのか。そのポイントをお伝えします。
目次
「記憶がない」加害者の心理的特徴
彼らが嘘をついているとは限りません。自分にとって都合の悪い情報を無意識に遮断する防衛規制が働いているケースが多く見られます。
認知の歪み(自分への正当化) 「コミュニケーションの一環だった」「場を盛り上げるためだった」「相手も自分に気が合った」と自らの行為をポジティブに変換して記憶しているため、ハラスメントというネガティブな事実として認識できていません。
共感性の欠如(他者視点の欠落) 相手がどう感じるかへの想像力が著しく低いため、自分の言動が相手に与えたインパクト(恐怖や嫌悪)が記憶に残っていません。「大したことではない」という処理が脳内でなされています。
防衛本能(否認) 自身の社会的地位やプライドを守るため、無意識に事実を「なかったこと」にする心理が働きます。

なぜ、従来のハラスメント対策研修では響かないのか?
人事担当者様が事実を突きつけ、就業規則や法律論で説得しようとしても、彼らは「言いがかりだ」「厳しすぎる」「今の世の中がおかしい、そんなことではコミュニケーションがとれなくなる」と心のシャッターを下ろしてしまいます。 彼らに必要なのは、「怒られる場」ではなく、「自分の認知のズレに気づく場」です。
弊社の「セクハラ行為者個人研修」のアプローチ
弊社の個人研修は、単なる法令順守の講義ではありません。経験豊富なカウンセラー資格を持つ講師が、心理学的なアプローチを用いて加害者の「否認の壁」を丁寧に、しかし確実に崩していきます。
ステップ①:安全な対話の場の構築 まずは講師が話を傾聴し、心理的な安全性を確保します。これにより、加害者は防御姿勢を解き、本音を話し始めます。
ステップ②:認知の枠組みの再構築 「記憶がない」としても、「もしその場に自分の娘がいたらどう思うか」「第三者の目にはどう映っていたか」という多角的な問いかけを行い、客観的な事実と向き合う力を養います。
ステップ③:「つもり」と「事実」のギャップを埋める 「親愛の情のつもり」が「性的な不快感」として伝わるメカニズムを解説し、自身のコミュニケーションスタイルの危険性を自覚させます。
ハラスメント相談員・コンプライアンス担当者様へ
「記憶にない」という加害者への対応は、非常に根気と専門性を要する業務です。社内だけで抱え込まず、外部の専門家の力を借りることが、早期解決と真の再発防止への近道です。
弊社は18年にわたり、ハラスメント対策やメンタルヘルス対策研修を行ってまいりました。机上の空論ではない、現場の実情に即した「人が変わる」研修をご提供します。
加害者が自らの行為を直視し、心から反省して職場に戻るために。 まずは一度、ご相談ください。
【事例紹介】過去のセクハラ個人研修での意識変容ケース
人事担当者様が「本当に変わるのか?」という不安を払拭できるよう、「頑固な否認」から「反省・行動変容」へ至ったプロセスを簡潔にまとめました。
CASE 1:「スキンシップのつもりだった」50代管理職男性
【研修前】 「肩を触ったり、頭をなでたのは激励のつもり。相手も嫌がっていなかった。セクハラと言われるのは心外だ」と、自身の行為を正当化していました。
【研修でのアプローチ】 カウンセラーが心理的背景にある「アンコンシャスバイアス」や「承認欲求」「思い込み」を分析しつつ、現代の価値観とのズレを客観的にフィードバック。相手の気持ちへの気づき方や被害者の恐怖心への共感を促しました。
【研修後】 自分の立場では相手が断りづらいことや自分の甘えが相手を傷つけていたと自覚。その後、部下との物理的距離感を適切に保つよう行動が改善されました。
CASE 2:「酒席でのことで記憶がない」40代営業職男性
【研修前】 飲み会での卑猥な発言について「酔っていて全く覚えていない。覚えていないことで処分されるのは納得がいかない」と強く反発していました。
【研修でのアプローチ】 「記憶がない=責任がない」ではないことを法的・心理的側面から解説。記憶をなくすほどの飲酒がビジネスパーソンとしていかにリスクであるか、また「覚えていない恐怖」を相手に与えている事実に向き合ってもらいました。アルコールハラスメントについてやアルコールの影響なども説明、ストレスセルフケアについても学びました。
【研修後】 「記憶がないからこそ、取り返しのつかないことをした可能性がある」と事の重大さを認識。断酒を宣言し、職場での信頼回復に向けた具体的な行動目標を自ら策定しました。
