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叱れない 指導できない パワハラを恐れて何も出来ない上司を作らないために組織がするべきこと(公認心理師監修)

パワーハラスメントが社会問題となり、叱れば「それパワハラじゃないですか」と言われ、ドラマでもパワハラではない事柄もパワハラということで扱われており、組織からは「コンプライアンス!これはダメあれもダメ」と言われ、どうすればよいのか困惑している管理監督者が増えているようです。

私は20年近く様々な組織のハラスメント対策に関するコンサルティングもしておりますが、この数年で担当者の皆様から「叱れない上司が増えており困っている」という話を聞きます。「ハラスメント」というタイトルではないテーマで研修を行う組織も増えています。
パワーハラスメントといわれるような厳しく、いき過ぎた指導はアウトですが従業員を育成したり良いサービスを提供するためには注意や指導することも必要です。

では、組織としてはどのようにすればこうした事象を防ぐことができるのでしょうか、まずは一般職向けの研修をお勧めします。



安心して指導できるために一般職に対して研修開催

私たちは企業や消防、病院、教育機関などでハラスメントに関する研修をしております。まずは指導する側である管理職に研修を行う組織が多く、もちろんそれは良いことなのですが、一般職に対しては受講の機会を与えなかったり、与えたとしても管理職と同じ内容の研修をしている組織が多いのではないかと思います。ただそれでは足りません。指導される側である方には下記のような内容の研修を行うと効果があります。

パワーハラスメントについて正しい知識(定義や具体的な事例)

一般職でも指導することはありますし、仕事の進め方や日常の態度によりパワハラ加害者になることもありますのでまずは、加害者にならないための事例を学び次いで、こういう行動や発言はパワーハラスメントにはならないという事例も伝えます。
何でもかんでも叱られた=パワハラではないということを説明するのです。

叱られたら過度にパワハラと受け止めないための方法

叱られた際のセルフコントロール方法(自分と叱られた内容の切り分け方など)、適切な断り方などのアサーティブコミュニケーション(自分も他者も尊重した自己主張訓練)弊社の場合は講師が心理師でもあるため心理学的な観点からもお伝えしています。

能動的なコミュニケーションについて(上司ではなく自分ができること)

どのように仕事に取り組めばよいか。心構えから具体的なビジネスにおけるやり取り方法について学ぶことで、被害者になることを防ぐこともできます。
例えば、上司の指示が曖昧な時にはその場で「いつまでにやればよいですか?」と確認を自らすれば、後から「あの仕事どうなってんの!間に合わないよ!」などと言わせるすきも与えないのです。

私は今までに少なくても1000回以上研修をしていますが、どの組織でも必ず上司の指示に対する不満が一番多く、「上司の指示が曖昧だ」「上司が仕事を丸投げする」「部長と課長の指示が違うから意味が分からない」「メールでしか指示が来ないのでむかつく」という意見が出ます。
課長に研修を行った際も、部長や役員に対して同じ不満で驚きました・・・つまり人間は「相手がこうしてくれない」という不満を抱えやすく、自分がどうすれば良いか・・という考えにはなりにくいのです。

相手には変わってほしいけど、自分が変わる気はない。という発言を聞くことも多いです。
このような考えでいると、叱られれば「自分は悪くない、相手が曖昧なのがいけない=パワハラでしょ!」となるわけです。

管理職に対するハラスメント対策研修でいつも、「ハラスメントを起こさないためには謙虚な気持ちが大切です」とお伝えしていますが、これは管理職だけに限らず指導される側も大切にしていただきたいことです。

管理職(指導する側)には前向きな指導法を学んでもらう

パワーハラスメントの具体的事例や定義は正しく理解していただく必要はありますが、次のステップとしては「あれはダメ・これもダメ」ではなく、どうすれば叱ったことをパワハラと受け止められず、部下のモチベーションが上がるかというアプローチ方法を学ぶ機会を与えることをお勧めします。

弊社では「解決志向アプローチ」をお伝えすることが多く、ハラスメント研修内でこのアプローチによるしかり方や指導法をお伝えすると皆さん「もっと詳しく知りたい」とアンケートに書かれます。
行為者個人研修でも受講生は問題志向なので「これはいいですね、こういう指導法知りませんでした」と話されます。

解決志向は本当に簡単にできる指導法ですので、すぐに実践できるのも良いところです。

簡単に説明しますと、叱るときに「なんで出来ないの」と問題点に焦点を当てるのではなく、「今回は上手くいかなかったね」という事実は伝えたうえで「どうすれば次は上手くいくか考えよう」と常に解決に目を向けます。だから、解決志向なのです。問題志向での指導のように追い詰めず、前向きに課題解決することが出来ます。
詳しくお知りになりたい方はこちらのコラムに書いてございます。パワハラと言われない指導法とは

また、私が今までの経験をもとに書籍も書いており、読むだけで解決志向が使えるようにしておりますのでご覧ください。近日書店でも販売予定です。

今回は組織の担当者向けに研修についてお伝えしましたが、引き続き管理職向け、一般職向けにもコラムを書いて参ります。もし、詳しく研修についてお知りになりたい場合は「指導される側の研修」も詳細資料ございますのでお気軽にお問い合わせください。

関連動画

☆パワーハラスメント対策にも前向きな課題解決法である(ソリューションフォーカス)が有効

☆パワハラと言われない指導法とは