オンライン開催公開研修を確認する
コラム
コラム

心理的安全性向上「管理者による居心地よい職場づくり」でハラスメント予防

「居心地よい職場」とは、ゆるく、ぬるま湯的なことをイメージされる方も多いと思います。今回お伝えする内容はそのようなイメージではありません。いわゆる「心理的安全性」をテーマにした内容です。

「心理的安全性」とは、職場で安心して自分を表現できる環境のことを指します。

具体的には上司に報告や連絡しても否定されない」「会議で自分の意見を言える」「上司に忖度せずに話ができる」などです。

ハラスメントが起きない職場づくりにも「心理的安全性」が重要視されています。
このコラムでは、管理職の皆様に向けて、ハラスメント対策としての「心理的安全性」の重要性をお伝えします。

目次

1. 企業で増え続けているハラスメント具体例ーー心理的安全性の欠如の例
2. 心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ方法
(1)オープンなコミュニケーションの推進
(2)トレーニングと教育の実施
(3)信頼関係の構築
(4)迅速な対応とサポート体制の確立
3. 心理的安全性が高く「居心地よい職場」が未来の組織を築く

企業で増え続けているハラスメント具体例ーー心理的安全性の欠如の例

近年、多くの企業でハラスメントが問題視されています。

例えば、あるIT企業では、社員のAさんが上司からの過度なプレッシャーと侮辱的な発言に耐えかねて退職しました。Aさんは優秀なエンジニアであり、会社にとって貴重な存在でしたが、精神的な苦痛により業務に集中できなくなり、最終的には退職を選びました。これは、心理的安全性が欠如した職場の一例です。

事例1:厳しい目標設定とその結果
Bさんは営業部門のリーダーとして高い目標を課されていました。

上司は「お前が達成できないのは無能だからだ」と何度も叱責し、会議の場でも名指しで批判しました。

Bさんは自信を喪失し、ストレスから体調を崩しました。最終的には、精神的な疲弊から休職を余儀なくされました。

事例2:女性社員への軽視

Cさんは女性で、技術部門の重要なプロジェクトを任されていました。

しかし、上司や同僚からは「女性には無理だ」と何度も言われ、提案もことごとく却下されました。Cさんは次第に意欲を失い、プロジェクトの成功にも悪影響を及ぼしました。これにより、組織全体の士気も低下しました。

このように、ハラスメントが横行する職場では、社員の心理的安全性が著しく低下します。

例えば、前述の事例では、AさんやBさん、Cさんが心理的に追い詰められることで、会社全体のパフォーマンスにも悪影響が及びます。これはなぜならば、社員一人ひとりが安心して意見を述べ、ミスを恐れずに挑戦できる環境がないと、創造性や生産性が大幅に低下するからです。また、心理的安全性が確保されていない環境では、メンバー同士のつながりが希薄になり、チーム全体の連携がうまくいかなくなることも少なくありません。

心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ

では、どうすれば心理的安全性を高め、ハラスメントを防ぐことができるのでしょうか。以下に具体的な対策を提案します。

(1)オープンなコミュニケーションの推進

言い換えると、社員が自由に意見を述べられる場を設けることです。
フィードバックセッションやアンケートを実施し、社員の声を積極的に取り入れましょう。

例えば、会議中に社員が発言しても否定されない、遮らない環境を作り、上司に忖度せずに意見を言える雰囲気を醸成します。
また、ボディーランゲージにも気を付けましょう。舌打ちやため息をつかず、積極的に耳を傾ける姿勢を示します。これにより、メンバー同士のつながりが深まり、協力体制が強化されます。

(2)トレーニングと教育の実施

ハラスメント予防のためのトレーニングを定期的に行うことが重要です。

例えば、管理職向けにハラスメントについての研修や心理的安全性を高めるためのセミナーを社内で開催して意識を高めましょう。言い換えると、管理職自身が見本となる行動を取り、社員が安心して働ける環境を整えるためのスキルを習得することが求められます。このような取り組みは、チームメンバーとの信頼関係を築き、組織全体の結束力を高める効果もあります。

(3)信頼関係の構築

管理職自身が信頼される存在であることが必要です。日々のコミュニケーションやサポートを通じて、社員との信頼関係を築くことが、心理的安全性の基盤となります。

例えば、チームメンバーの意見や感情を尊重し、適切なフィードバックを行うことで、信頼関係が深まります。また、メンバー同士のつながりを促進するイベントなどの活動を定期的に開催することも効果的です。

(4)迅速な対応とサポート体制の確立

ハラスメントが発生した場合、迅速に対応することが求められます。被害者へのサポート体制を整え、再発防止のための対策を講じることが重要です。

例えば、ハラスメントに関する相談を受けた場合、しっかりと話を聞き、適切な対応をすることで、被害者の心理的安全性を確保します。また、このプロセスを通じて、メンバーとのつながりを強化し、全員が安心して働ける環境を作ることができます。 

心理的安全性が高く「居心地よい職場」が未来の組織を築く

ハラスメント問題は、企業にとって避けて通れない課題です。

管理職として、ハラスメントを未然に防ぐために「心理的安全性」を高めることで、社員のモチベーションや生産性を向上させることができます。今回紹介した事例や対策を参考に、自社の職場環境を見直し社員が安心して働ける環境を整えてください。これにより、会社全体の成長にも繋がるでしょう。

さらに心理的安全性を確保することで、社員一人ひとりが持てる力を最大限に発揮し、組織としての競争力も高まります。今こそ、管理職としての責務を果たし、より良い職場環境を築くための一歩を踏み出しましょう。メンバーとのつながりを大切にし、全員が安心して働ける職場を目指してください。

弊社では、「心理的安全性」を高める方法についてワークなどしながら楽しく学ぶセミナーも御社の状況に合わせてオリジナルで企画できます。コラムをお読みになられた貴方がはじめの一歩となり、組織に提案しませんか!?貴方が無理なくなるべく負担なく居心地よい職場づくりを実践できるように支援させていただきます。株式会社ハートセラピー 杉山修

【パワーハラスメント関連コラムラインアップ】

パワハラ加害者にならない指導者を目指そう「自己変革コーチング」のご紹介
パワハラ行為者(加害者)の行動を変えるプログラム・個人研修
ハラスメント加害者にならないための怒り感情「トレーニング」方法とは
パワーハラスメント加害者の特徴と更生方法【公認心理師解説】
ハラスメント行為者個人研修で再発防止できます

パワーハラスメントをした背景は何かを考える
パワハラとは言われない指導法とは
パワーハラスメント対策にソリューションフォーカスが有効
ハラスメントにならない叱り方/ハラメント研修
パワーハラスメント加害者の特徴と更生方法【公認心理師解説】 |
【働き場改革vol.9】パワハラと指導の境界線は? ハラスメント メンタルヘルス対策に役立つ動画