「パワハラ対策 管理職研修だけではもう限界」パワハラの根源を断つ「フォロワーシップ研修」という新常識
企業のハラスメント対策といえば、管理職向けの研修が主流です。「アンガーマネジメント」や「言い換え術」を学ぶ上司は増えましたが、それでも現場のギスギス感が消えない……そんな悩みを抱える人事担当者様や経営者様は少なくありません。
ハラスメント対策の新たな切り口として、一般社員(部下)向けの「フォロワーシップ研修」が注目されています。
今回は、なぜ部下側の意識変革がパワハラを防ぎ、組織の生産性を劇的に高めるのか。そのメカニズムと実践のポイントを解説します。
目次
上司も限界? 9割以上が部下に「忖度」する時代
パワハラ防止法が浸透する一方で、現場では新たな問題が起きています。それは、ハラスメントと言われることを恐れるあまり、上司が必要な指導すらできなくなる「ホワハラ(ホワイトハラスメント)」やマネジメント不全です。
ある調査によると、上司の91.4%が部下への「忖度(そんたく)」経験があると回答しています。
トラブルやミスが起きた時でも強く言えない
業務の優先順位変更すら気を使う
部下にお願いしづらいから自分が仕事を抱え込む
このように萎縮した上司と、指導されないまま放置される部下。この悪循環を断ち切る鍵こそが、部下自身が持つ「フォロワーシップ」なのです。
「フォロワーシップ」とは何か?
フォロワーシップとは、単なる「上司への服従」ではありません。「組織の成果を最大化するために、チームのメンバーがリーダーをサポートする力」のことです。
驚くべきことに、組織の成果に与える影響力は、リーダーが10〜20%であるのに対し、メンバー(フォロワー)は80〜90%にも及ぶという研究結果があります。つまり、組織の良し悪しは、実は部下の振る舞いが握っていると言っても過言ではないのです。(カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の調査)

なぜ「部下の行動」でパワハラが防げるのか
研修では、以下のようなスキルを部下の方々に習得していただきます。これらは結果として、上司のイライラや行き過ぎた叱責を誘発しない土壌を作ります。
指示待ちからの脱却(先読み行動) 上司の指示が曖昧な時、ただ待つのではなく「自分から確認する」スキルです。これによりコミュニケーションギャップによるトラブルが激減します。私はコミュニケーション研修を全国の組織で行っておりますが、どの組織においても職場のコミュニケーションで困っていることは何か?と問うと一番多い答えは
「上司の指示が曖昧」「上司の指示がメールでしか来ないので言っている意味が分からない」「上司がこちらの状況も把握せずに仕事を丸投げする」という上司の指示に対する不満です。
実はこの答えは課長に対して研修を行った際も同じでした。つまり部長や役員に対してです。
曖昧な指示をする側も改める必要はもちろんありますが、「上司がこうしてくれない」と不満を持つだけではなく、自分から確認する、中間報告をする、今何をしているかを報告するなどの行動が必要です。
建設的な提案スキル(DESC法) 不満をただぶつけるのではなく、事実(Describe)、意見(Express)、提案(Suggest)、選択(Choose)の順で伝えるDESC法を用いることで、感情的な対立を避け、冷静な議論が可能になります。
ヘルプシーキング(適切な相談) 一人で抱え込まず、「助けて」と言える力です。早期の報告・相談は、事態が悪化してから発覚して上司が激昂する……といった最悪のケースを防ぎます。
【重要】誤解なきようお伝えしたいこと 「部下がフォロワーシップを持てばパワハラはなくなる」という提案は、決して「パワハラを受ける側が悪い」「被害者の問題だ」という意味ではありません。 パワハラ行為そのものは許されることではありません。しかし、部下が「身を守る術」や「仕事をスムースにすすめる術」を学ぶことは、結果的に自分自身が働きやすい環境を作るための強力な武器になるのです。

「リーダーシップ」×「フォロワーシップ」の相互作用
もちろん、部下がどれほど素晴らしい行動をしても、上司がそれを圧力で握りつぶしてしまっては元も子もありません。 部下のフォロワーシップ行動を引き出し、活かすためには、上司側にも以下のスキルが不可欠です。
上司や先輩は存在が既にパワーです。部下や後輩が何か質問してきた際に「何?そんなこともわからないの」「自分で考えて」と返せば、部下はフォロワーシップを発揮することが難しくなります。
指示が曖昧な際も「確認したら怒られるかも・・・」とできません。
若手に限らず、中途採用の方々から「新しい職場のやり方を確認したくても皆さん忙しそうなので聞けない。」という悩みを多く聞きます。
フォロワーシップを潰さない、上司側・指導する側が学ぶと良いスキルの一押しが解決志向アプローチです。
| 解決志向とは、前向きな課題解決技法であり相手を追い詰めずに指導することができる。自律性やモチベーションを上げる効果もある。 ☆パワーハラスメント対策にも前向きな課題解決法である(ソリューションフォーカス)が有効 |
上司は「解決志向を用いたリーダーシップ」で部下の意欲を引き出し、部下は「フォロワーシップ」で上司を支える。この車の両輪のような相互作用が機能した時、職場からはハラスメントがなくなり、生産性が飛躍的に向上します。
ハラスメント対策のその先へ
パワハラ対策を「法的リスクの回避」だけで終わらせるのはもったいないことです。 一般社員向けのフォロワーシップ研修は、ハラスメント予防策であると同時に、「自ら考え行動する自律型人材」を育てるための投資でもあります。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」。 お互いを活かし合える職場づくりに向けて、部下側からのアプローチを始めてみませんか?
【研修に関するお問い合わせ】
株式会社ハートセラピーでは、2008年の創業以来1500社以上の支援実績をもとに、現場ですぐに実践できる具体的な研修を提供しています。行為者個人研修を長年行ってきたがゆえに、行為者の心理や困っていたことなども把握しており、集合研修にもその知見を活かしております。
一般社員向け: フォロワーシップ研修、ハラスメント対策研修
管理職向け: ハラスメント対策研修、解決志向アプローチ研修
上記を統合させた内容での研修もアレンジ可能です。事前の打ち合わせにてご要望や課題などを伺い研修資料はオリジナルで作成いたします。お気軽にご相談ください。
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