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被害届が出る前に止める!「パワハラ認定未満」の社員にこそ受講してほしい個別研修の勧め方 ~「処分」ではなく「投資」として伝える、グレーゾーン社員へのアプローチ術~

「現場から不満の声は聞こえるが、正式な通報はない」 「被害者が名前を伏せているため、本人に直接注意ができない」 「本人は『熱心な指導』のつもりだが、周囲は疲弊している」

人事ご担当者様であれば、このような「グレーゾーンの社員(パワハラ予備軍)」の対応に頭を抱えた経験が一度はあるのではないでしょうか。懲戒処分をするほどの証拠もなければ、認定もされていない。しかし、放置すればいずれ大きなトラブルになることは明白です。

実は今、こうした「パワハラとして認定はされないが、誤解されやすい行動をしているなどの行動変容が必要な社員」に対する外部の個別研修の需要が急増しています。今回は、被害者の協力が得られない状況でも、対象者を傷つけずに、かつ会社としての危機管理を果たすための「個別研修の上手な勧め方」をご紹介します。

この研修を勧められたかたへ講師からのメッセージ:私共は個人研修を数多く実施しておりますが、今までお会いした受講生のみなさんは研修を受ける中で我々も目を見張るほどの素晴らしいマネージャーや指導者になられています。だれかを傷つけたことは大いに反省しなければなりません。それがたとえ、組織のためだったとしてもです。誤解されない関わり方や相手のやる気をそがない自律的なメンバー育成方法などを学び、実践し、さらに講師と検討することであなた自身が豊かになります。そして、大切な人生にも役立つ機会となります。完璧な人はいません、我々も皆さんと共に学び、応援しますので前向きに取り組みましょう。

なぜ「パワハラ認定前」の個別研修が効果的なのか

 多くの企業が「訴えられてから」動きますが、本来は加害者を生み出さないことが重要です。加害者だと言われて精神的に病む方もおられます。ご自身は良かれと思いしていた行動を突然に「あなたはパワハラ加害者です。被害者はメンタル不調で休職します。」などと言われたらどうでしょうか?ショックすぎます。万が一被害者が自殺してしまえば取返しもつきません。

自分の知らないところで「あの人はパワハラ傾向だ、昇進はなしにしよう」など低く評価され、自分は成果を出すためにがんばっているつもりが、評価されず、逆に周囲から困った人扱いされていたら悲しすぎです。つまり組織としてその人を大事に思うのであれば「個人研修」を早く受講する機会を与えてください。被害者を出さない予防にも繋がります。

会社として「リスク」を感じているのであれば、それは介入すべきタイミングです。認定前の研修には、以下のメリットがあります。

パワハラ加害者を作らない&本人のプライドを守れる

行為をしている人を加害者にする前に、期待しているからこそ個人研修を受講する機会を与えるとすれば「処分」ではなく「スキルアップ」として実施できるため、本人も前向きに取り組みやすいです。

パワハラ被害者の保護と被害を最小限にできる

組織が行為者に注意できないと次から次へと被害を受ける人が増えます。手遅れになりますし、使用者責任を問われることにもなります。

離職率の低下を防ぎ良い人材を確保できる

被害を受けた人も、周囲の人もこうした状況があるのにもかかわらず、何もしてくれない組織に対して信頼できずに転職します。行為者が正しいコミュニケーションなどを学ぶことで、パワハラもなく心理的安全性の高い働きやすい職場環境を形成することができます。

ハラスメントによる法的リスクの回避

「組織は指導・教育の機会を与えた」という安全配慮義務・職場環境配慮義務の実績になります。取り返しのつかない事態を防ぐことができます。

どのように個人研修への受講を促すか?

 このあたりがご担当者の共通の悩みだと思いますので、納得して受講させるための4つのアプローチをご紹介します。

困っていることがないかを聞く個別面談を行う

たいてい、行為者はストレスを抱えています。なぜなら「部下が思う通りに動かない」「何度教えても理解しない」「協力的でない」「気が利かない」など問題志向で周囲のダメなところに目が向いているからです。(問題志向)
また、マネジメント研修などを受ける機会もなく、管理者やリーダーにさせられた場合「メンバーと、どのように関わればよいかわからず」自己流で失敗している人もいます。ヒューマンスキルが低く困っている人が多いのです。ですから、例えば人事担当者や当該行為者の上司が個別面談をして「何か困っていることがないか」を尋ね、それを解決するために個人研修を勧めるのは一番自然だと思います。

ちなみにこの面談は人事担当者であれば、行為者だけではなくすべての管理者に対して行うべきフォローです。

「期待」と「ギャップ」で伝える(マネジメント視点) 「パワハラ疑惑があるから」とは言いません。

「あなたはプレイングマネージャーとして優秀だが、今の時代のマネジメントスタイルとは少しギャップが生じているようだ。会社としてあなたには更に活躍してほしいから、一度最新のコミュニケーション手法を外部の専門家から学んできてほしい」 と伝えます。「期待しているから投資する」というスタンスです。

もしも、上記のように伝えて「なんで私だけ」という質問が来た際の対応も3つ記します。

「なんで自分だけ?」という反発(抵抗)は、対象者が自分の正当性を守ろうとする心理的防衛反応として、非常に高い確率で発生します。ここで「他の人も順次…」と嘘をついたり、「あなたの部署で問題が多いから」と直球で返すと、せっかくの「期待・投資」という前提が崩れ、「やっぱり自分は厄介払いされているんだ」「組織はわかってくれていない」と心を閉ざしてしまいます。

パターン1:「あなたに合わせたオーダーメイドだから」と強調する

「みんなが受ける研修」ではなく、「あなたのために用意した特別な機会」であることを強調し納得してもらう方法です。

【回答例】

「今回は、画一的な集団研修ではなく、一人ひとりの課題やキャリアに合わせた『個別最適化』を重視しています。 他のマネージャーには彼らの課題に合わせた別の施策を検討していますが、あなたには、その影響力の大きさとプレイングマネージャーとしての実力を踏まえ、一般的な座学ではなく、プロの専門家と対話できるこの形式がベストだと判断し、予算を組みました。 会社として、あなたにはそれだけのコストをかける価値があると考えています。」

ポイント: 「一斉研修ではない=あなた専用の予算とプラン」とすることで、選抜されたことへの納得感を高めます。

パターン2:【チーム状況】「あなたのチームが変革の時だから」と必要性を説く

本人への攻撃ではなく、「チームのフェーズ(段階)」に理由を求めます。

【回答例】

「もちろん、他のリーダーにも必要に応じた研修を行っています。ただ、今回あなたに一番にお願いしたい理由は、あなたのチームが今、最も重要な変革期(または若手育成の過渡期)にあるからです。 会社として、あなたのチームの成功を最優先事項の一つと考えています。そのためには、リーダーであるあなたが最新の手法をいち早く取り入れ、チームのモデルケースになってほしいのです。まずはあなたからスタートしてほしい、という現場への期待の表れだと捉えてください。」

ポイント: 「あなたに問題がある」ではなく「あなたのチームが重要だから(優先順位が高い)」と変換します。

パターン3:【役割責任】「影響力が大きいから」と責任感に訴える

本人が自分の影響力を自覚している場合に有効です。

【回答例】

「あなたは社内でも発言力があり、周囲への影響力が非常に大きい存在です。だからこそ、あなたが旧来のやり方に固執してしまうと、周囲への波及効果も大きくなってしまいます。 逆に言えば、あなたが変われば会社全体の空気が変わります。 他のマネージャーも課題はありますが、まずは影響力の大きいあなたにこそ、新しい時代のマネジメント・スタンダードを体現してほしいのです。」

ポイント: 「自分だけ?」に対し「あなたがキーマンだからだ」と返すことで、自尊心を満たしつつ受講の必然性を伝えます。

 「組織のリスク管理」として伝える(会社視点) 特定の被害者の話は出さず、会社全体の観測として伝えます。

「最近、部署全体で若手の定着率やモチベーションに課題が見えている。特定の誰かというより、チーム運営の在り方を見直す時期に来ている。まずはリーダーであるあなたに、外部の客観的な視点を取り入れてほしい」

定着率の他に客観的データーとしてしますことができる「エンゲージメント調査」「ストレスチェックの職場分析結果」などを提示して「上司の支援が少ないと感じている人があなたの職場では多いので」というアプローチもお勧めです。

「自己防衛」のためにと伝える(本人メリット視点) 本人が「自分は正しい」と思っている場合に有効です。

「あなたの熱意は分かっているが、今の社会通念上、その伝え方は誤解を生むリスクが高い。あなた自身が将来、予期せぬトラブルに巻き込まれないために、今のうちに『伝え方や関わり方』『ヒューマンスキル』を身につけておこう」

実例~実は多い「パワハラ非認定」での受講者たち~

 私が担当する個別研修の現場でも、実は「パワハラ認定はされていないが、会社から強く勧められて来た」という受講者が増えています。

最初は「なぜ自分が」と不満げな方も多いですが、ほぼ全員が周囲との関りで困っていることがありますので、その点から「うまくいくにはどうすればよいか」などと前向きに考えていただいたり、心理学に基づいたアプローチで、自分の言動を客観視してもらうと、驚くほど態度が変わります。 「なるほど確かにプレッシャーを与えすぎていたかも・・」「自分の思い通りに動かそうとしていた」と気づき、見違えるようにコミュニケーションが改善するケースは珍しくありません。

個人研修の内容をどんどん吸収して実践してくださる方も多く、素晴らしいヒューマンスキルを得ることで仕事だけではなく家庭に役立てている方もいます。

最後に

被害者が声を上げられないからといって、問題を先送りにしていませんか? 「認定」を待つ必要はありません。火が燃え広がる前に、外部の専門家による「個別研修」という消火剤を撒くことこそ、賢明な人事の選択です。

「うちのあの社員にはどう切り出せばいい?」 その言い回しやタイミングのご相談から、私たち専門家がサポートいたしますのでお気軽に下のバナーをクリックしてご連絡ください。

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