オンライン開催公開研修を確認する
コラム
コラム

ハラスメント行為者にならない伝え方|改善の3ステップ

職場で起きるハラスメントの多くは、特別な誰かが引き起こすものではありません。
人格や性格の問題ではなく、忙しさ・慣習・役割期待・コミュニケーションの癖といった、誰の周りにも存在する“構造”が重なったときに生まれます。
「自分はそんなつもりではなかった」
「指導のつもりだった」
「良かれと思って言っただけだ」
こうした言葉は、ハラスメント相談の現場で頻繁に聞かれます。
そして実際、行為者の多くは“悪意”を持っているわけではありません。
むしろ、相手の成長を願っていたり、チームの成果を守ろうとしていたりすることが少なくありません。
それでも、結果として相手を傷つけてしまうことがある。
この「意図」と「結果」のズレこそが、ハラスメントの本質的な構造のひとつです。

ハラスメント行為者が陥りやすい“意図と受け取りのズレ”

ハラスメント行為者の心理を理解することは、擁護ではなく「予防」のために役立ちます。
以下は、行為者が陥りやすい構造的なズレの代表例です。

忙しさ・役割期待が言葉の強度を上げる

管理職やリーダーは成果責任を担う立場にあります。
忙しい時期ほど言葉が早くなり、強くなりやすい傾向があります。
本人は「効率よく伝えたい」と思っていても、相手には「圧」として届くことがあります。

“良かれと思って”がハラスメントになる理由

相手の成長を願う気持ちが強いほど、指導の言葉が厳しくなることがあります。
しかし、受け手の状況や自信の度合いによっては、善意が“否定”として伝わることがあります。

昔の指導と今のハラスメント基準の違い

「自分が若い頃はもっと厳しかった」という記憶は、多くの人が持っています。
しかし、働き方や価値観が大きく変化した今、その基準が通用しない場面も増えています。

一般的なオフィスで起きるハラスメントのグレーゾーンのケース例

月末の忙しい時期。
課長は若手社員が作成した資料をチェックしていました。チーム全体の業務量が増えており、課長自身も複数の案件を抱えている状況です。
若手の資料を見ながら、課長はこう伝えました。
「この程度の資料なら、もっと早く作れるはずだ」
「前にも伝えたよね。何度同じことを繰り返すのかな」
「他のメンバーはできているから、君もできるはずだよ」
課長の“意図”は明確でした。
業務の精度を上げたい。
若手に成長してほしい。
忙しい時期だからこそ、スピードを意識してほしい。
どれも、チームを思う気持ちから出た言葉です。
しかし、若手社員の“受け取り”は異なりました。
「自分の努力を否定されたように感じる」
「比較されたことで自信が揺らぐ」
彼の表情が曇り、声が小さくなる。
周囲も静かになり、空気が少し重くなる。
課長はその変化に気づきます。
「言い方が強かったかもしれない」
「急いでいたから、語尾がきつく聞こえたかもしれない」
「意図と違う伝わり方をしたかもしれない」

この場面は、どの職場でも起こり得る“ハラスメントのグレーゾーン”です。
悪意がなくても、構造的なズレによってハラスメントが生まれることがあります。

ハラスメント防止のためにできる「最初の3ステップ」

行為者にならないために、特別な能力が必要なわけではありません。
まずは、次の3つを意識するだけで、コミュニケーションの質は大きく変わります。
① 言葉の強度を一段下げる
「もっと早くできるはずだ」→「どこで時間がかかっているか、一緒に確認しよう」
② 相手の選択肢を奪わない言い方にする
「前にも言ったよね」→「前回の説明でわかりづらいところがあったかもしれない。補足するね」
③ 意図と受け取りのズレを確認する
「さっきの言い方、強く聞こえなかったかな?」と一言添えるだけで、ズレを小さくできます。

ハラスメントを防ぐために、自分の伝え方を振り返る

ハラスメントを指摘されると、多くの人はショックを受けます。
「自分はそんな人間だったのか」
「もう職場で信頼を取り戻せないのではないか」
そう感じる方も少なくありません。
しかし、指摘を受けたあとに自分と向き合い、コミュニケーションを見直そうとする姿勢は、決して遅すぎることではありません。
大切なのは、これからどう変わるかです。
変わろうとする姿勢は、決して否定されるものではありません。
むしろ、職場の安心感を高める大切な一歩です。
ハラスメントは「知ること」で防げる部分が多くあります。
自分のコミュニケーションの癖を客観的に見直すことは、
相手を守るだけでなく、自分自身を守ることにもつながります。
「知る」だけではなく、自分の伝え方の癖や考え方のパターンを客観的に振り返ることが大切です。

個人向けハラスメント研修のご案内

当社の個人向けハラスメント研修では、単に法律や事例を学ぶだけではありません。
心理士資格を持つ講師が、一人ひとりのコミュニケーションの特徴や思考の癖を整理しながら、「なぜ同じことが起きるのか」「どうすれば変えられるのか」を一緒に考えます。
「もう同じことを繰り返したくない」
「職場で安心して働き続けたい」
そんな思いを持つ方に、安心して学んでいただける研修です。
・必要な方が、学びやすいように、事業所向けより価格の低い個人向けハラスメント研修 をご用意しています。
・周囲に知られずに参加できます
・自分のペースで学べます
・再発防止のための具体的な行動基準が身につきます
・コミュニケーションの癖を客観的に見直せます

人事・総務ご担当者だけでなく、「自分の伝え方を見直したい」「同じことを繰り返したくない」と考えている方からのご相談もお受けしています。まずは、お気軽にご相談ください。

ハラスメント研修関連コラムラインナップ
ハラスメント行為者を更生へ導く個人研修|他社との決定的違い Vol.2(研修内容編①)

ハラスメント行為者を更生へ導く個人研修|他社との決定的違い Vol.1(講師・導入編)
ハラスメント(個人)研修費用はどのくらい:行為者更生個人研修の選び方

ハラスメント行為者(加害者)の行動を変える個人研修
パワハラ加害者にならない指導者を目指そう「自己変革コーチング」のご紹介
ハラスメント加害者にならないための怒り感情「トレーニング」方法とは
パワーハラスメント加害者の特徴と更生方法【公認心理師解説】
ハラスメント行為者個人研修で再発防止できます
パワーハラスメントをした背景は何かを考える
パワハラとは言われない指導法とは
パワーハラスメント対策にソリューションフォーカスが有効
ハラスメントにならない叱り方/ハラメント研修
パワーハラスメント加害者の特徴と更生方法【公認心理師解説】