ハラスメントをする「エース社員」をどう扱うか?〜「辞められると困る」ジレンマを解決する個人研修の活用法〜
人事・コンプライアンス担当者の皆様から寄せられるご相談の中で、最も頭を抱えるケースの一つが「業績はトップクラスで会社への貢献度も高いが、部下に対してハラスメントを行ってしまうエース社員」への対応です。
「彼(彼女)の営業成績がないと目標を達成できない」「高度な専門知識を持っており、代わりがいない」といった理由から、厳正な処分を下すことに二の足を踏んでしまう組織は少なくありません。一方で、放置すれば被害者のメンタル不調や離職を招き、組織のコンプライアンス上の大きなリスクとなります。
会社としての毅然とした対応(処分)と、貴重な人材の活用(更生)というジレンマをどう乗り越えればよいのでしょうか。

目次
なぜ「優秀なエース社員」がハラスメントを起こすのか?
優秀な社員がハラスメント行為者になってしまう背景には、彼ら特有の心理構造があります。
彼らはこれまで、高い目標を掲げ、自らの努力と独自のやり方で困難を乗り越えて成果を出してきました。その強烈な「成功体験」があるからこそ、「自分のやり方こそが正解である」「自分ができたのだから、部下もこれくらいやって当然だ」と信じて疑いません。
そのため、自分の基準に満たない部下を見ると「なぜこんなこともできないのか」と苛立ちを覚え、厳しい叱責や過剰な要求といったハラスメント行動に走ってしまいます。彼らの中では「部下を成長させるための熱心な指導」であり、相手の能力や働き方の多様性に対する想像力が欠如してしまっている状態です。
「懲戒処分」だけでは根本解決にならない理由
ハラスメントの事実が認定された場合、就業規則に則り、減給や降格などの処分を下すことになります。しかし、「エース社員」に対して処分だけを行っても、根本的な解決には至らないことがほとんどです。
彼らは自らの正当性を強く信じているため、ただ処分を言い渡されるだけでは「自分は会社のためにこんなに頑張っているのに、なぜ評価されないのか」「最近の若手は打たれ弱すぎる」と不満を募らせます。また最近は「これまでがんばってきたのに、加害者と言われてしまった」とショックを受けてメンタル不調を訴える方もいます。いずれにしても 結果として、モチベーションを大きく下げてしまったり、周囲に対して何も口をきかなくなったり、競合他社へ転職してしまったりと、会社にとっても大きな損失をもたらすリスクがあります。
また、全社向けのハラスメント研修(集合研修)を受講させても、「これはひどい上司の話であって、熱心に指導している自分には関係ない」と無自覚なままであることが多く、行動変容には繋がりません。

「戦力化」と「再発防止」を両立させる個人研修
エース社員のプライドを傷つけることなく、自らの行動を客観視していただき、適切なマネジメントスタイルへと変容させる。この難しいプロセスを実現する最適な手段が、専門家による「1対1の個人研修」です。
私どもが提供する個人研修では、単に「ハラスメントはいけないことだ」と教え込むような説教は行いません。公認心理師などの専門資格を持ち、かつビジネス経験も豊富な講師が、以下のようなステップでアプローチします。
1. 傾聴と承認による「自己正当化」の解除
まずは、本人の言い分や「会社を良くしたい」という根底にある思いをしっかりと受け止めます。私たち講師は一方的に指導せず、彼らの努力や資源は認めます。そのうえで「理想とギャップから生じたパワハラ」を客観視していただき「ではどうすれば良いか」を検討していきます。まずは、ご自身が心から変えていきたいと思わなければ研修を受講されても効果がないものになってしまいます。
2. 認知の歪みの修正と客観視
対話を重ねる中で、「自分の常識が他人の常識とは限らない」ということに気づいていただきます。自身の指導方法が部下にどのような影響を与え、結果としてチームの生産性を下げているのかを、論理的かつ客観的に振り返ります。
3. 新しいマネジメントスキルの獲得(実践的トレーニング)
机上の空論ではなく、現場ですぐに使える具体的なコミュニケーション手法をレクチャーします。「怒り」の感情をどうコントロールするか、相手のモチベーションを引き出す「ソリューションフォーカス」の視点をどう取り入れるかなど、本人の性格や職場の状況に合わせたオーダーメイドの行動計画を立てます。
組織を守り、人材を活かすために
「エース社員」のハラスメント問題は、社内の人間関係だけでは解決が非常に困難です。社内の人間が指導しようとしても、本人から「現場を知らないくせに」「なんであなたに言われなければいけないの」と反発を招くことが多いです。また社内の人にはなかなか本当の悩みやプライベートのことなど話しづらいと伺います。
外部の専門家である心理師資格を有する講師が第三者として介入することで、本人は冷静に自分自身と向き合うことができます。
私たちは解決志向アプローチという技法も心得ておりますので、資源を活かして解決していくプロです。18年間の組織活性化支援もしてきましたので働く方々の悩みなどに精通しております。ご担当者様からのお話しを伺い適した講師をご紹介いたします。

貴重な人材を失うことなく、より優れたリーダーへと成長させるために。そして、誰もが安心して実力を発揮できる職場環境を守るために、ハラスメント行為者向けの個人研修をぜひご活用ください。問題の深刻化を防ぐためにも、早い段階での専門家へのご相談をお勧めいたします。
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